Notionタスク管理テンプレートの作り方|初心者でも自作できる方法をステップ解説

Last Updated on 2025年7月18日

「市販のToDoアプリだとなんかしっくりこない…」「もっと自分好みにタスク管理したい!」そんな風に感じたことはありませんか?本記事では、自由自在なカスタマイズが魅力のアプリ「Notion(ノーション)」を使って、あなただけのオリジナルタスク管理テンプレートを「自分で作る」ための全手順を、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。基本的なデータベースの考え方から、便利なビューの切り替え、テンプレートとして保存する方法まで、この一つの記事でマスターできます。既成のテンプレートに満足できない方は、ぜひ自分だけの最強タスク管理ツールを作り上げてみましょう。

目次


Notionでタスク管理をするメリット

数多くのタスク管理ツールが存在する中で、あえてNotionを選ぶことには明確なメリットがあります。なぜNotionが多くの人に選ばれているのか、その理由を3つのポイントから見ていきましょう。

自分仕様に無限にカスタマイズできる

最大のメリットは、その圧倒的なカスタマイズ性の高さです。一般的なタスク管理アプリでは、「完了チェック」「締切日」「カテゴリ」など、あらかじめ用意された機能しか使えません。しかしNotionなら、それらをすべて自分で定義できます。

例えば、以下のような項目(プロパティ)を自由に追加して、自分だけの管理フォーマットを作ることが可能です。

  • 優先度:「高・中・低」だけでなく「緊急・重要」のマトリクスで管理。
  • 担当者:チームで使う場合に誰のタスクかを明確化。
  • 作業時間(見積):タスクにかかる時間の見積もりを記録。
  • 関連URL:参考資料や関連ページへのリンクをタスクに紐付け。

このように、市販のツールでは対応できないような、あなた独自の管理項目を追加できるため、仕事からプライベートまで、あらゆるタスクを理想の形で管理できます。

スマホ・PC・タブレットどこからでも確認・更新可能

Notionはクラウドベースのサービスであり、専用のアプリがWindows、Mac、iPhone (iOS)、Android向けに提供されています。作成したタスクリストは自動的に同期されるため、どのデバイスからでも常に最新の状態にアクセスできます。

例えば、会社のPCでタスクを登録し、移動中にiPhoneで内容を確認、帰宅後に家のタブレットで進捗を更新する、といったシームレスな使い方が可能です。「あのタスク、どうだったっけ?」と思ったその瞬間に、手元のデバイスで即座に確認できる安心感は、タスク管理において非常に重要です。

テンプレート化で毎日のルーティンも効率化できる

一度作成したタスク管理の仕組みは、「テンプレート」として保存し、何度でも再利用することができます。

例えば、「毎週月曜日の定例タスク」や「ブログ投稿の作業フロー」など、定期的に発生する一連のタスクをテンプレート化しておけば、ボタン一つでタスクリストを瞬時に生成できます。これにより、毎回同じタスクを手入力する手間が省け、作業の抜け漏れを防ぎ、本来集中すべき業務に時間を使うことができるようになります。この「仕組み化」が簡単にできる点も、Notionの大きな強みです。


テンプレート作成前に知っておきたい基本構造

Notionでタスク管理テンプレートを自作するには、まず「データベース」という機能の基本的な考え方を理解しておく必要があります。難しく聞こえるかもしれませんが、一度分かってしまえば簡単です。

ページ → データベース → ビューの関係性

Notionの構造は、大きく分けて3つの要素で成り立っています。

  • ページ (Page):すべての情報の土台となる「白紙のノート」です。まずはこのページを作成することから始まります。
  • データベース (Database):ページの中に設置する「データを格納する箱」です。タスク管理では、このデータベースにタスク情報を一つずつ入れていきます。Excelのシートのようなものを想像すると分かりやすいでしょう。
  • ビュー (View):データベースの中身を「見せるための形式」です。同じデータベースでも、ビューを切り替えることで、シンプルなリスト形式(テーブルビュー)、カンバン形式(ボードビュー)、カレンダー形式(カレンダービュー)など、様々な見た目に変化させることができます。

つまり、「ページというノートの中に、タスクを入れるデータベースという箱を置き、その箱の中身をビューという表示形式で見る」という関係性を覚えておきましょう。

タスク1件=1レコード(1つのデータ)という考え方

データベースにおいて、管理したいタスク1件1件が「1レコード(または1アイテム、1行)」として扱われます。例えば、「A社の企画書を作成する」というタスクがあれば、それが1つのレコードです。データベースには、このレコードをどんどん追加していくことで、タスクリストを構築します。

各レコードは、単なるタスク名だけでなく、それに関連する様々な情報(締切日、優先度など)を保持することができます。

タスクの属性は「プロパティ」として追加する

前述の「締切日」「優先度」「進捗状況」といった、各タスクが持つ属性情報のことをNotionでは「プロパティ」と呼びます。これはExcelで言うところの「列(カラム)」に相当します。

タスク管理テンプレートを作るということは、この「プロパティ」を自分で設計することに他なりません。「どんな情報があればタスクを管理しやすいか?」を考え、必要なプロパティを追加していく作業が、テンプレート作成の中心となります。Notionには、日付、テキスト、セレクト(選択式)、チェックボックスなど、様々な種類のプロパティが用意されています。


ステップ別|Notionタスク管理テンプレートの作り方

それでは、いよいよ実際にタスク管理テンプレートを作成していきましょう。以下の4つのステップに沿って進めれば、誰でも簡単に作ることができます。

ステップ①:新しいページを作成する

まずは、タスク管理の土台となる新しいページを用意します。

  1. Notionのサイドバーにある「+ 新規ページ」をクリックします。
  2. ページが作成されたら、まずはタイトルを入力しましょう。ここでは「マイタスク管理」といった分かりやすい名前にしておきます。
  3. タイトルの上にある「アイコンを追加」や「カバー画像を追加」をクリックすれば、ページを視覚的にカスタマイズすることも可能です。

この時点では、まだ中身は空っぽの白紙のページです。

ステップ②:データベース(テーブルビュー)を挿入する

次に、作成したページにタスクを格納するためのデータベースを設置します。

  1. ページの本文エリアで、半角スラッシュ / を入力すると、コマンドメニューが表示されます。
  2. 続けて table と入力し、候補の中から「データベース - フルページ」または「テーブルビュー」を選択します。(フルページを選ぶと、そのページ全体がデータベースになります)
  3. データソースを聞かれるので、「+ 新規データベース」をクリックします。

これで、ページ上にExcelのような表(テーブル)が作成されました。これがあなたのタスクリストの原型となります。

ステップ③:カラム(プロパティ)を設計・追加する

ここがテンプレート作成の最も重要な部分です。タスク管理に必要な項目(プロパティ)を追加していきましょう。デフォルトで「名前」と「タグ」というプロパティがありますが、これらをカスタマイズ・追加していきます。

テーブルの右上にある「+」ボタンをクリックすると、新しいプロパティを追加できます。以下は、基本的なタスク管理でよく使われるプロパティの例です。

  • タスク名(名前):これは最初からある「名前」プロパティをそのまま使います。タスクの具体的な内容を書き込みます。
  • 進捗状況(セレクト):「+」を押し、プロパティの種類で「セレクト」を選びます。名前を「進捗状況」などに変更し、「オプションを追加」から「未着手」「進行中」「完了」といった選択肢を作成します。各オプションに色を付けると、視覚的に分かりやすくなります。
  • 期限(日付):プロパティの種類で「日付」を選びます。名前を「期限」とします。ここにはタスクの締め切り日を入力します。
  • カテゴリ(セレクト or マルチセレクト):「セレクト」または「マルチセレクト」を選びます。名前を「カテゴリ」とし、「仕事」「プライベート」「学習」などのオプションを作成します。複数のカテゴリに属する可能性がある場合はマルチセレクトが便利です。
  • 優先度(セレクト):同じく「セレクト」を使い、「優先度」という名前で「高」「中」「低」のオプションを作成します。絵文字(例:🔥高,🟡中,🔵低)を使うと、より見やすくなります。

不要な「タグ」プロパティは、列名をクリックし「プロパティを削除」から消すことができます。これらのプロパティを自分の管理スタイルに合わせて調整してください。

ステップ④:ビューを切り替えて使いやすくする

プロパティの設計が終わったら、次はタスクの見せ方(ビュー)を工夫して、より使いやすくしましょう。データベース上部のタブの横にある「+」ボタンから、新しいビューを追加できます。

  • テーブルビュー(一覧管理):
    デフォルトで作成される、Excelのような一覧形式のビューです。すべてのタスクとプロパティを俯瞰するのに適しています。
  • ボードビュー(カンバン風):
    「進捗状況」プロパティを軸にしたカンバン方式のビューです。ビューの追加で「ボード」を選択し、「グループ化の基準」を「進捗状況」に設定します。すると、「未着手」「進行中」「完了」の列にタスクがカードとして表示され、ドラッグ&ドロップで進捗を更新できるようになり、非常に直感的です。
  • カレンダービュー(期限の可視化):
    「期限」プロパティを元に、タスクをカレンダー上に表示するビューです。ビューの追加で「カレンダー」を選択します。いつまでに何をすべきかが一目瞭然となり、スケジュール管理に役立ちます。

これらのビューを複数作成しておき、タブをクリックするだけで表示を切り替えられるようにしておくと、タスク管理の効率が格段に向上します。


テンプレートとして保存・再利用する方法

作成したデータベースの構造は、Notionの「データベーステンプレート」機能を使うことで、簡単に再利用可能なテンプレートとして保存できます。

これは、例えば「ブログ執筆」というタスクに対して、「記事構成の作成」「本文執筆」「画像選定」「校正」といった一連のサブタスクを毎回自動で生成したい場合に非常に便利です。

  1. データベースの右上にある青い「新規」ボタンの横の「▼」をクリックし、「+ 新規テンプレート」を選択します。
  2. テンプレートの編集画面が開くので、タイトルに「ブログ執筆タスク」などと名前を付けます。
  3. プロパティの値をあらかじめ設定したり(例:カテゴリを「ブログ」に固定)、ページ本文のエリアにチェックリスト形式でサブタスクを書き込んだりします。
  4. 設定が終わったら、左上の「← 戻る」でデータベースに戻ります。

これでテンプレートが保存されました。次回以降、データベースで「新規」ボタンを押す際に、保存した「ブログ執筆タスク」テンプレートを選択すれば、あらかじめ設定した内容がすべて反映された新しいタスク(ページ)が作成されます。


目的別のビュー構成

上記のデータベースに対して、以下のようなビューを作成して切り替えながら使っています。

  • ① 今日のタスク(テーブルビュー):「フィルター」機能を使い、「期限が今日」かつ「進捗状況が完了でない」タスクのみを表示するビュー。毎朝最初にここを確認します。
  • ② 週次カレンダー(カレンダービュー):今週一週間のタスクをカレンダーで俯瞰するビュー。週全体の負荷を把握します。
  • ③ プロジェクトボード(ボードビュー):「カテゴリ」が「A社プロジェクト」のものだけをフィルターで表示し、それを「進捗状況」でグループ化したボードビュー。プロジェクトの進捗会議で使います。
  • ④ 全タスク一覧(テーブルビュー):フィルターをかけない、すべてのタスクが見えるビュー。全体の整理や見直しに使います。

生産性を上げたカスタム項目

基本的なプロパティに加えて、以下のカスタム項目を追加したことで、生産性が大きく向上しました。

  • 見積時間(数値):タスクにかかるおおよその時間(分単位)を入力するプロパティ。一日のタスクの合計時間を見積もることで、無理な計画を立てなくなりました。
  • 完了日(日付):タスクの「進捗状況」が「完了」になった日時を記録するプロパティ。「最終更新日時」プロパティを使い、完了時に自動でタイムスタンプが記録されるように設定しています。これにより、いつ何が終わったかを正確に振り返ることができます。
  • 関連人物(ユーザー):チームで利用する際に、タスクに関わるメンバーを紐付けるためのプロパティ。