「ブルースクリーン(STOPコード)」が出た時に確認すべき項目とは?エラーコード別の意味と対応手順のまとめ

Last Updated on 2025年7月28日

突然PCの画面が青くなり、白い文字のエラーメッセージが表示されて強制的に再起動される「ブルースクリーン」。通称「死のブルースクリーン(Blue Screen of Death: BSOD)」とも呼ばれ、PCユーザーにとっては非常に困惑する現象です。

このブルースクリーンは、Windowsに深刻なエラーが発生したことを示しており、そのままにしておくとPCの故障やデータ損失につながる可能性もあります。今回は、ブルースクリーンが発生した際にまず確認すべき項目と、代表的なエラーコード(STOPコード)の意味、そしてそれぞれの対応手順について詳しく解説します。この記事を参考に、落ち着いて対処し、PCのトラブルを解決しましょう。


目次


1. ブルースクリーンが発生したらまず確認すること

ブルースクリーンが表示された際、一瞬で消えてしまうこともありますが、落ち着いて以下の情報を確認しましょう。これらの情報は、問題解決の糸口になります。

  • STOPコード(エラーコード):

    ブルースクリーンの下部に「STOP CODE:」または「エラーコード:」として表示される英数字の羅列です。このコードが問題の種類を特定するための最も重要な情報となります。

    例:CRITICAL_PROCESS_DIED, DRIVER_IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL など

  • エラーメッセージ:

    STOPコードの上に、エラーの概要を示す短いメッセージが表示されることがあります。これも原因究明のヒントになります。

  • 再起動後の動作:

    ブルースクリーン後、PCは自動的に再起動を試みます。正常に起動するか、再びブルースクリーンになるか、起動しないかなど、PCの挙動を確認します。

  • 直前に行った操作:

    ブルースクリーンが発生する直前に、新しいソフトウェアをインストールした、ドライバーを更新した、ハードウェアを追加した、特定の操作を行ったなど、何かPCに変更を加えたか思い出しましょう。これが原因となっている可能性があります。


2. ブルースクリーンの主な原因

ブルースクリーンが発生する原因は多岐にわたりますが、大きく分けて以下の2つに分類できます。

  • ハードウェアの問題:
    • メモリ(RAM)の故障または接触不良
    • ハードディスクドライブ(HDD/SSD)の故障または異常
    • グラフィックボードやその他の拡張カードの故障またはドライバーの問題
    • 電源ユニットの供給不足または故障
    • PC内部のホコリによる熱暴走
  • ソフトウェアの問題:
    • ドライバーの不具合またはバージョン不一致
    • Windowsのシステムファイルの破損
    • インストールしたソフトウェアの競合や不具合
    • ウイルスやマルウェアの感染
    • Windows Updateの失敗

3. 代表的なエラーコード(STOPコード)とその意味・対応

ブルースクリーンに表示されるSTOPコードは、エラーの具体的な内容を示しています。ここでは、よく遭遇する代表的なエラーコードとその一般的な意味、対応策をご紹介します。

3-1. CRITICAL_PROCESS_DIED

  • 意味: システムの重要なプロセス(プログラム)が予期せず終了したことを示します。システムの中核を担うプロセスが停止したため、Windowsが動作を継続できなくなります。
  • 主な原因: ドライバーの不具合、メモリの故障、システムファイルの破損、ウイルス感染など。
  • 対応:
    • Windows Updateで最新の状態にする。
    • 直前にインストールしたソフトウェアやドライバーをアンインストールする。
    • システムファイルチェッカー(sfc /scannow)を実行する。
    • ウイルススキャンを実行する。
    • メモリ診断を行う。

3-2. DRIVER_IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL

  • 意味: ドライバーが不正なメモリ領域にアクセスしようとしたことを示します。通常はドライバーの不具合が原因です。
  • 主な原因: サードパーティ製ドライバーの不具合(特にネットワークアダプター、グラフィックボード、サウンドカードなど)、ドライバーのバージョンが古い、Windows Update後のドライバーの競合。
  • 対応:
    • 問題のドライバーを特定し、最新版に更新するか、以前のバージョンに戻す。
    • 直前にインストールしたデバイスドライバーをアンインストールする。
    • Windows Updateで最新の状態にする。

3-3. KERNEL_SECURITY_CHECK_FAILURE

  • 意味: Windowsのカーネル(OSの核となる部分)の整合性チェックに失敗したことを示します。システムファイルやメモリの破損、ドライバーの問題が考えられます。
  • 主な原因: システムファイルの破損、メモリの故障、ドライバーの不具合、ウイルス感染、ハードディスクのエラー。
  • 対応:
    • システムファイルチェッカー(sfc /scannow)を実行する。
    • メモリ診断を行う。
    • ドライバーを最新の状態に更新する。
    • ウイルススキャンを実行する。

3-4. MEMORY_MANAGEMENT

  • 意味: メモリ管理に深刻な問題が発生したことを示します。メモリ自体、またはメモリを利用するドライバーやソフトウェアに問題がある可能性が高いです。
  • 主な原因: メモリ(RAM)の物理的な故障、メモリの接触不良、メモリのスロット不良、メモリ関連のドライバーの不具合。
  • 対応:
    • メモリ診断ツール(Windowsメモリ診断など)を実行する。
    • PC内部のメモリの抜き差しを行い、接触不良を改善する。
    • 複数のメモリを搭載している場合、一本ずつ試して問題のメモリを特定する。
    • メモリを交換する。

3-5. DPC_WATCHDOG_VIOLATION

  • 意味: ドライバーが処理に想定以上の時間を要し、システムがフリーズしたことを示します。ストレージ(SSD/HDD)関連のドライバーやファームウェアが原因となることが多いです。
  • 主な原因: SSD/HDDのファームウェアが古い、ストレージコントローラードライバーの問題、AHCI(Advanced Host Controller Interface)ドライバーの問題、ソフトウェアの競合。
  • 対応:
    • SSD/HDDのファームウェアを最新にする。
    • ストレージコントローラードライバー(特にIntel Rapid Storage Technology (IRST) ドライバーなど)を最新にする。
    • Windows Updateを実行する。
    • 直前にインストールしたソフトウェアをアンインストールする。

3-6. UNEXPECTED_STORE_EXCEPTION

  • 意味: システムがディスク操作を完了できなかったときに発生します。ストレージデバイスの故障やドライバーの問題が考えられます。
  • 主な原因: SSD/HDDの故障、ストレージコントローラードライバーの問題、S.M.A.R.T.エラー、電力不足。
  • 対応:
    • ディスクのエラーチェック(chkdsk)を実行する。
    • SSD/HDDの健康状態をチェックするツールを使用する。
    • ストレージコントローラードライバーを更新する。
    • PCの電源ユニットに問題がないか確認する。

3-7. BAD_POOL_CALLER

  • 意味: プログラムが、システムが予期しない方法でメモリ領域を要求したことを示します。主にドライバーのバグやメモリの破損が原因です。
  • 主な原因: ドライバーの不具合、メモリの破損、ウイルス感染、ソフトウェアの競合。
  • 対応:
    • 最近インストールしたドライバーやソフトウェアをアンインストールする。
    • メモリ診断を行う。
    • ウイルススキャンを実行する。
    • Windows Updateで最新の状態にする。

3-8. PAGE_FAULT_IN_NONPAGED_AREA

  • 意味: Windowsがアクセスできないメモリ領域(ページファイル化されていない領域)にアクセスしようとしたことを示します。メモリの故障やシステムファイルの破損が原因となることが多いです。
  • 主な原因: メモリ(RAM)の物理的な故障、ドライバーの不具合、システムファイルの破損、ウイルス感染。
  • 対応:
    • メモリ診断を行う。
    • システムファイルチェッカー(sfc /scannow)を実行する。
    • ドライバーを最新の状態に更新する。
    • ウイルススキャンを実行する。

4. 共通の対処法(エラーコードが不明な場合も有効)

特定のエラーコードが表示されない場合や、上記のエラーコードに当てはまらない場合でも、以下の共通の対処法を試すことで問題が解決することがあります。

4-1. セーフモードで起動する

セーフモードは、最低限のドライバーとプログラムのみでWindowsを起動する診断モードです。セーフモードで正常に動作する場合は、最近インストールしたソフトウェアやドライバーが原因である可能性が高いです。

  1. PCの電源を入れ、Windowsのロゴが表示される前に電源ボタンを長押しして強制的にシャットダウンします(これを2回繰り返す)。
  2. 3回目の起動時に、Windows回復環境が起動します。
  3. 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→「再起動」を選択します。
  4. 再起動後、オプションのリストが表示されたら「5」または「F5」キーを押して「セーフモードとネットワーク」を選択します。

4-2. Windows Updateを実行する

最新のWindows Updateには、システムの安定性向上や既知のバグ修正が含まれていることが多いです。まだ試していない場合は、必ず実行しましょう。

4-3. ドライバーを更新またはロールバックする

デバイスマネージャーを開き、問題がありそうなデバイスのドライバーを更新するか、問題発生前のバージョンにロールバックすることを検討します。

  1. Windowsのスタートボタンを右クリックし、「デバイスマネージャー」を選択します。
  2. 更新したいデバイスのカテゴリを展開し、デバイスを右クリックして「ドライバーの更新」または「プロパティ」から「ドライバー」タブで「ドライバーを元に戻す」を選択します。

4-4. システムの復元を実行する

以前に復元ポイントを作成している場合、問題発生前の状態にシステムを戻すことができます。これにより、最近の変更によって引き起こされた問題を解決できる可能性があります。

  1. Windowsの検索バーに「復元ポイントの作成」と入力し、「システムのプロパティ」を開きます。
  2. 「システムの保護」タブで「システムの復元」をクリックし、画面の指示に従って復元ポイントを選択します。

4-5. ウイルスやマルウェアのスキャン

ウイルスやマルウェアがシステムの安定性を損なっていることも考えられます。Windows Defenderや信頼できるセキュリティソフトでフルスキャンを実行し、検出された脅威を駆除しましょう。


5. それでも解決しない場合の最終手段

上記の方法を試してもブルースクリーンが頻繁に発生し続ける場合は、より深刻な問題が考えられます。以下の最終手段を検討してください。

  • メモリ(RAM)の物理的な確認と交換:

    メモリの故障が疑われる場合、PCケースを開けてメモリを抜き差ししたり、別のメモリと交換したりすることで問題が解決することがあります。複数のメモリを搭載している場合は、一本ずつ試して問題のあるメモリを特定しましょう。

    (※PCケースを開ける作業は、PCの保証を無効にする可能性があるため、自己責任で行ってください。自信がない場合は専門家にご相談ください。)

  • ハードディスク(HDD/SSD)の交換:

    ストレージの故障が疑われる場合、新しいSSDやHDDに交換することで解決することがあります。この場合、Windowsのクリーンインストールが必要になります。

  • Windowsの初期化(リセット)またはクリーンインストール:

    すべてのソフトウェア的な問題を排除するために、Windowsを初期状態に戻すか、完全に再インストールする方法です。これにより、システム内の破損や競合が解消される可能性があります。必ず事前に重要なデータのバックアップを取ってください。

  • 専門家への相談:

    これらの手順を試しても解決しない場合や、ハードウェアの故障が濃厚な場合は、PC修理業者や専門家への相談を強く推奨します。無理に自己解決しようとすると、かえって状況を悪化させる可能性があります。


まとめ

ブルースクリーンはPCユーザーにとって恐ろしい現象ですが、エラーコードの意味を理解し、適切な対処法を試すことで、多くの場合解決に導くことができます。まずは冷静にSTOPコードを確認し、今回ご紹介した手順を参考に、原因を特定して対処してみてください。

もし、何度試しても解決しない場合は、無理をせず専門家の力を借りることも重要な選択肢です。日頃から大切なデータのバックアップを取っておくことも、万が一のブルースクリーンに備えるための大切な習慣と言えるでしょう。