Last Updated on 2025年7月28日
Windowsでファイルを削除しようとした時、「ファイルは開かれています (The action cannot be completed because the file is open in another program)」というエラーメッセージが表示され、困った経験はありませんか? このエラーが出ると、ファイルがどこかのプログラムで使われているため、削除や移動がブロックされてしまいます。
通常、このエラーはファイルを使っているアプリケーションを閉じれば解決しますが、どのアプリケーションが使っているのか分からない、あるいはアプリケーションを閉じてもエラーが消えない、といったケースも少なくありません。
この記事では、この「ファイルは開かれています」エラーが発生する主な原因と、タスクマネージャーを使ったプロセスの特定と終了、セーフモードでの強制削除、そしてその他の便利なツールを使った解決策を詳しく解説します。もう削除できないファイルに悩まされないよう、ぜひこの記事を参考にしてください。
目次
- 1. 「ファイルは開かれています」エラーとは?
- 2. まず試すべき!基本的な対処法
- 3. タスクマネージャーでプロセスを終了する
- 4. セーフモードでファイルを削除する
- 5. その他の高度な対処法
- 6. まとめ
1. 「ファイルは開かれています」エラーとは?
「ファイルは開かれています」エラーは、その名の通り、削除しようとしているファイルが現在、何らかのプログラムやプロセスによって使用されている状態であることを示します。Windowsは、使用中のファイルを保護するために、削除や移動といった変更操作をブロックします。
このエラーメッセージは、主に以下のような状況で表示されます。
- WordやExcelで開いたファイルを保存せずに削除しようとした。
- 再生中の動画ファイルや音楽ファイルを削除しようとした。
- 写真や画像を編集ソフトで開いたまま削除しようとした。
- バックグラウンドで動作しているアプリケーションやサービスが、知らずにファイルを使用している。
- システムの一部として、Windows自身がファイルをロックしている。
ほとんどの場合、ファイルを使用しているプログラムを特定して閉じれば解決しますが、目に見えないバックグラウンドプロセスが原因であることも多いため、少し複雑な対処が必要になることもあります。
2. まず試すべき!基本的な対処法
エラーに遭遇したら、まずは以下の基本的な方法から試してみましょう。
2-1. ファイルを使用しているアプリを特定し閉じる
最も単純で効果的な方法です。削除したいファイルを開いている可能性のあるアプリケーションをすべて閉じます。
- 最近開いたアプリケーションをすべて確認: メッセージが表示された直前に開いていた画像ビューア、動画プレイヤー、文書作成ソフトなどを閉じます。
- タスクバーを確認: タスクバーに表示されているアプリケーションを右クリックし、「ウィンドウを閉じる」を選択します。
- 通知領域(タスクトレイ)を確認: 画面右下の通知領域に常駐しているアプリケーション(例: クラウドストレージの同期ソフト、圧縮解凍ソフトなど)がファイルをロックしている場合もあります。アイコンを右クリックし、「終了」や「Exit」を選択してみましょう。
2-2. PCを再起動する
上記の方法で解決しない場合、PCを再起動してみましょう。再起動することで、開かれているすべてのプログラムやバックグラウンドプロセスが終了し、ファイルへのロックが解除される可能性が高いです。
- スタートメニューから「電源」→「再起動」を選択します。
3. タスクマネージャーでプロセスを終了する
PCの再起動が難しい場合や、どのプロセスがファイルをロックしているか不明な場合は、タスクマネージャーを使って強制的にプロセスを終了させることができます。
- タスクマネージャーを起動します。
- タスクバーの何もない場所を右クリックし、「タスクマネージャー」を選択します。
- または、Ctrl + Shift + Escキーを同時に押します。
- 「プロセス」タブを確認します。
- 通常、「アプリ」セクションに開かれているアプリケーションが、「バックグラウンドプロセス」セクションに隠れたプロセスが表示されます。
- ファイルをロックしている可能性のあるプロセスを探します。
- ファイルの種類(例:
.docxならWord、.mp4ならメディアプレイヤー)から関連するアプリケーション名を探します。 - また、CPUやメモリの使用率が高いプロセスも確認し、不審なものがあれば疑います。
- もし、ファイル名がエラーメッセージに明記されている場合、そのファイル名の一部や関連するキーワードでタスクマネージャーの検索機能(Ctrl+F)を使ってみるのも有効です。
- ファイルの種類(例:
- 対象のプロセスを右クリックし、「タスクの終了」を選択します。
- 注意: 重要なシステムプロセスを終了すると、PCの動作が不安定になったり、再起動が必要になったりする場合があります。不明なプロセスは安易に終了しないようにしましょう。
- プロセスを終了した後、再度ファイルの削除を試します。
4. セーフモードでファイルを削除する
通常のWindows環境でファイルを削除できない場合、セーフモードで起動して削除する方法は非常に有効です。セーフモードでは、Windowsが必要最小限のドライバーとサービスのみで動作するため、ほとんどのアプリケーションやバックグラウンドプロセスが無効になり、ファイルへのロックが解除されやすくなります。
セーフモードでの削除手順(Windows 10/11の場合)
- スタートメニューを開き、「電源」アイコンをクリックします。
- Shiftキーを押しながら「再起動」をクリックします。
- これにより、Windows回復環境が起動します。
- 「オプションの選択」画面で「トラブルシューティング」を選択します。
- 「詳細オプション」を選択します。
- 「スタートアップ設定」を選択し、「再起動」をクリックします。
- 再起動後、「スタートアップ設定」画面が表示されます。
- 「4) セーフモードを有効にする」または「5) セーフモードとネットワークを有効にする」を選択するために、対応する数字キー(通常は
4または5)を押します。
- 「4) セーフモードを有効にする」または「5) セーフモードとネットワークを有効にする」を選択するために、対応する数字キー(通常は
- PCがセーフモードで起動したら、エクスプローラーで削除したいファイルを探し、通常の手順で削除します。
- ファイルを削除した後、PCを通常どおり再起動します。
5. その他の高度な対処法
上記の方法で解決しない場合、以下に示すより高度な対処法を試す必要があります。
5-1. ファイルが使用中のプロセスを特定するツールを使う
タスクマネージャーでは特定できないような、見えないプロセスがファイルをロックしている場合があります。そのような場合、専用のツールを使うと、どのプロセスがファイルを使用しているのかを正確に特定できます。
- Resource Monitor(リソースモニター)を使う:
- Windowsの検索バーに「リソースモニター」と入力し、起動します。
- 「CPU」タブをクリックし、「関連付けられたハンドル」を展開します。
- 「ハンドルを検索」ボックスに、削除したいファイル名(またはその一部)を入力し、Enterキーを押します。
- 検索結果に表示されたプロセスがファイルをロックしている可能性が高いです。該当するプロセスを右クリックし、「プロセスの終了」を選択します。(ただし、システムプロセスは注意が必要です。)
- 第三者製ツールを使う (例: Process Explorer, Unlockerなど):
- より強力な特定・解除機能を持つツールもありますが、使用は自己責任で行い、信頼できるソースからダウンロードしてください。
5-2. コマンドプロンプトでファイルを削除する (DELコマンド)
エクスプローラーからの削除ができない場合でも、管理者権限のコマンドプロンプトからDELコマンドを使って削除を試みることができます。
- Windowsの検索バーに「cmd」と入力し、「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- コマンドプロンプトが開いたら、以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
del "C:\削除したいファイルがあるパス\ファイル名.拡張子"- 例:
del "C:\Users\YourName\Documents\不要なファイル.txt" - パスにスペースが含まれる場合は、必ずダブルクォーテーション(" ")で囲んでください。
- もしフォルダごと削除したい場合は、
rmdir /s /q "C:\削除したいフォルダがあるパス\フォルダ名"を使用します。
- 例:
- コマンドが成功すれば、ファイルは削除されます。
5-3. ファイルの所有権とアクセス許可を変更する
稀に、ファイルの所有権やアクセス許可(パーミッション)が原因で削除がブロックされることがあります。特に、他のユーザーアカウントや過去のシステムが所有者になっている場合に発生することがあります。
- 削除したいファイルを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- 「セキュリティ」タブをクリックし、「詳細設定」をクリックします。
- 「所有者」の項目で、「変更」をクリックします。
- 「ユーザーまたはグループの選択」ウィンドウで、現在ログオンしているユーザー名を入力し、「名前の確認」をクリックして「OK」を押します。
- 「サブコンテナとオブジェクトの所有者を置き換える」にチェックを入れ、「適用」→「OK」をクリックします。
- 再度「セキュリティ」タブに戻り、自分のユーザーアカウントに対して「フルコントロール」のアクセス許可があるか確認し、なければ「編集」から追加します。
- 変更後、ファイルの削除を試します。
5-4. ウイルスやマルウェアのスキャン
悪意のあるプログラム(ウイルスやマルウェア)がファイルをロックし、削除できないようにしている可能性もゼロではありません。Windows Defenderや信頼できるセキュリティソフトでシステム全体のフルスキャンを実行し、検出された脅威を駆除しましょう。
5-5. CHKDSK(チェックディスク)コマンドを実行する
ファイルの破損やファイルシステムのエラーが原因で削除できない場合、CHKDSKコマンドを使ってディスクのエラーをチェックし、修復を試みることができます。
- Windowsの検索バーに「cmd」と入力し、「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- コマンドプロンプトウィンドウで、以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します(例: エラーが出ているファイルがあるドライブがC:の場合)。
chkdsk C: /f /rC:: エラーが出ているドライブレターを指定します。/f: ディスク上のエラーを修正します。/r: 不良セクタを特定し、読み取り可能な情報を回復します。
- 対象がC:ドライブの場合、次回のPC起動時にCHKDSKが実行されるようスケジュールするかどうか尋ねられます。
Yを入力してEnterを押し、PCを再起動します。 - CHKDSKの実行には時間がかかります。完了後、ファイルの削除を試します。
まとめ
Windowsで「ファイルは開かれています」エラーが出てファイルが削除できない場合でも、慌てる必要はありません。まずはファイルを開いているアプリケーションを閉じる、またはPCを再起動するといった基本的な対処法を試しましょう。
それでも解決しない場合は、タスクマネージャーで関連プロセスを終了したり、セーフモードで強制的に削除したりする方法が非常に有効です。さらに、専用ツールでのプロセス特定、コマンドプロンプトからの削除、アクセス許可の変更、ウイルススキャン、ディスクエラーチェックといった高度な手段も検討できます。
これらの対処法を試すことで、ほとんどの「ファイルは開かれています」エラーは解決できるはずです。もう削除できないファイルに悩まされずに、快適にWindowsを使いこなしましょう。


