Windows Helloの顔認証・指紋認証が機能しない場合のトラブルシューティング

Last Updated on 2025年7月28日

Windows Helloは、顔認証や指紋認証といった生体認証を利用して、より安全かつスピーディーにWindowsにサインインできる便利な機能です。しかし、突然機能しなくなったり、認証に失敗するようになったりといったトラブルに遭遇することもあります。このような問題が発生すると、サインインに時間がかかったり、パスワード入力に戻る必要が生じたりして、利便性が大きく損なわれます。

本記事では、Windows Helloの顔認証や指紋認証が機能しない場合の具体的なトラブルシューティング方法を解説します。以下の主要な対処法を順に試して、問題の解決を目指しましょう。

1. デバイスドライバーの更新

Windows Helloの認証デバイス(顔認証カメラや指紋リーダー)が正しく動作しない場合、その原因の多くはデバイスドライバーの不具合や古さにあります。ドライバーが最新でない場合や破損している場合に、認証機能が正常に動作しないことがあります。

以下の手順で、関連するデバイスドライバーを更新してみましょう。

  1. デバイスマネージャーの起動:Windowsの検索バーに「デバイスマネージャー」と入力し、開きます。
  2. 生体認証デバイスの確認
    • 顔認証の場合:「生体認証デバイス」または「イメージングデバイス」の項目を展開し、お使いの顔認証カメラ(例:Integrated Camera, IR Cameraなど)を探します。
    • 指紋認証の場合:「生体認証デバイス」の項目を展開し、お使いの指紋リーダー(例:Synaptics WBDI - SGXなど)を探します。
  3. ドライバーの更新:問題のあるデバイスを右クリックし、「ドライバーの更新」を選択します。
  4. 自動検索または手動選択
    • 「ドライバーソフトウェアの最新版を自動検索」を選択し、Windowsが自動的に最新のドライバーを見つけインストールするのを待ちます。
    • 自動検索で改善しない場合、PCメーカーのサポートサイトから最新のドライバーをダウンロードし、「コンピューターを参照してドライバーを検索」を選択して手動でインストールすることも検討してください。
  5. デバイスの再インストール(最終手段):ドライバーの更新で改善しない場合、デバイスを右クリックして「デバイスのアンインストール」を選択し、PCを再起動します。再起動時にWindowsが自動的にドライバーを再インストールすることがあります。

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2. PINコードのリセット

Windows Helloは、PINコードと連携して動作します。PINコードに問題がある場合、顔認証や指紋認証が正しく機能しないことがあります。この場合、PINコードをリセットすることで問題が解決する可能性があります。

PINコードをリセットする手順は以下の通りです。

  1. 「サインインオプション」を開く:「スタート」メニューから「設定」を開き、「アカウント」→「サインインオプション」へ進みます。
  2. PIN (Windows Hello) のリセット:「PIN (Windows Hello)」の項目をクリックし、「PINを忘れた場合」を選択します。
  3. Microsoftアカウントの認証:Microsoftアカウントのパスワードを入力し、指示に従って認証を完了します。
  4. 新しいPINの設定:画面の指示に従って新しいPINコードを設定します。

PINのリセット後、もう一度Windows Helloの顔認証や指紋認証を試してみてください。

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3. Windows Hello設定の再構成

上記の方法で解決しない場合、Windows Helloの認証情報を一度削除し、再設定することで問題が解消することがあります。これは、認証データが破損している場合に有効な手段です。

  1. 「サインインオプション」を開く:「設定」→「アカウント」→「サインインオプション」へ進みます。
  2. 顔認証または指紋認証の削除
    • 顔認証の場合:「顔認証 (Windows Hello)」の項目をクリックし、「削除」を選択します。
    • 指紋認証の場合:「指紋認証 (Windows Hello)」の項目をクリックし、「削除」を選択します。
  3. PCの再起動:認証情報を削除したら、一度PCを再起動します。
  4. Windows Helloの再設定:再起動後、再び「設定」→「アカウント」→「サインインオプション」へ進み、顔認証または指紋認証の項目で「セットアップ」を選択し、画面の指示に従って再設定を行います。

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その他の確認事項

  • 物理的な汚れや障害物:顔認証カメラや指紋リーダーのセンサー部分に汚れやホコリが付着していないか確認し、柔らかい布で拭き取ってみてください。また、顔認証の場合は、カメラの前に障害物がないか確認しましょう。
  • Windows Updateの実行:Windowsのシステムが最新の状態でない場合、問題が発生することがあります。最新の更新プログラムが適用されているか確認し、未適用であれば更新を実行してください。
  • 電源管理の設定:特にノートPCの場合、省電力設定が原因でセンサーが一時的にオフになることがあります。デバイスマネージャーのデバイスのプロパティから「電源の管理」タブを確認し、「電力の節約のために、コンピューターでこのデバイスの電源をオフにできるようにする」のチェックを外してみることも有効な場合があります。

これらのトラブルシューティング手順を順番に試すことで、Windows Helloの顔認証・指紋認証の問題が解決される可能性が高まります。それでも解決しない場合は、ハードウェアの故障の可能性も考えられますので、PCメーカーのサポートに問い合わせることを検討してください。