Microsoft Edgeが起動しない・すぐ落ちる時の効果的な対処法

Last Updated on 2025年7月28日

Microsoft EdgeはWindows 10/11の標準ブラウザであり、多くのユーザーにとってインターネット利用の中心となるアプリケーションです。しかし、突然Edgeが起動しなくなったり、起動してもすぐに強制終了してしまったりする問題に遭遇することがあります。このような状況は、インターネットの閲覧はもちろん、Webアプリケーションの利用にも支障をきたし、非常に不便です。

この問題は、ブラウザのキャッシュの破損、設定の不整合、拡張機能の競合、あるいはブラウザ自体の破損など、さまざまな原因で発生します。本記事では、Microsoft Edgeが正常に動作しない場合の具体的なトラブルシューティング方法を解説します。キャッシュのクリア設定のリセット、さらにはブラウザの再インストール手順など、段階的に試せる効果的な対処法をご紹介しますので、ぜひ快適なブラウジング環境を取り戻すために役立ててください。


目次


1. Edgeが起動しない・すぐ落ちる主な原因

Microsoft Edgeが正常に機能しない問題には、いくつかの一般的な原因が考えられます。

  • 破損したキャッシュや閲覧データ: 長期間の使用により蓄積されたキャッシュやクッキーなどの閲覧データが破損し、Edgeの起動や動作に悪影響を与えることがあります。
  • ブラウザ設定の不整合: 誤った設定変更や、システムとの互換性の問題により、Edgeが不安定になることがあります。
  • 拡張機能の競合または不具合: インストールされている拡張機能がEdge本体と競合したり、不具合を抱えていたりする場合、起動エラーやクラッシュの原因となることがあります。
  • ブラウザファイルの破損: Edgeのプログラムファイル自体が何らかの理由で破損している場合、正常に起動できなくなります。
  • Windowsシステムの不具合: Windows OS自体の問題や更新の失敗が、Edgeの動作に影響を及ぼすことがあります。
  • セキュリティソフトとの競合: 一部のセキュリティソフトやファイアウォールがEdgeの通信や動作をブロックする場合があります。

2. まず試すべき基本的な対処法

Edgeのトラブルに遭遇したら、まずは以下の基本的な対処法から試してみましょう。多くの場合、これらのシンプルな手順で問題が解決することがあります。

2-1. PCの再起動

PCの一時的な不具合やシステムリソースの競合が原因の場合、再起動するだけで解決することがよくあります。バックグラウンドで実行されているプロセスがEdgeの起動を妨げている可能性も解消されます。

2-2. Windows Updateの確認

WindowsやEdgeに関する問題は、Windows Updateによって修正されることがあります。最新の更新プログラムが適用されているか確認し、未適用であれば更新を実行してみましょう。

  1. 「スタート」メニューから「設定」を開き、「Windows Update」へ進みます。
  2. 「更新プログラムのチェック」をクリックし、利用可能な更新があればインストールします。
  3. 更新完了後、PCを再起動します。

3. キャッシュと閲覧データのクリア

Edgeが起動しない、またはすぐ落ちる最も一般的な原因の一つが、キャッシュや一時ファイルの破損です。これらのデータをクリアすることで、問題が解決することがよくあります。Edgeが完全に起動しない場合でも、以下の手順でクリアできる場合があります。

  1. タスクバーの検索ボックスに「Edge」と入力し、「Microsoft Edge」を右クリックして「新しいInPrivateウィンドウ」を選択します。通常モードで起動できない場合に、InPrivateモードなら起動できることがあります。
  2. Edgeが起動したら、右上にある「…」(設定など)メニューをクリックし、「設定」を選択します。
  3. 左側のメニューから「プライバシー、検索、サービス」をクリックします。
  4. 「閲覧データをクリア」セクションで、「クリアするデータを選択」をクリックします。
  5. 「時間の範囲」を「すべての期間」に設定し、「閲覧の履歴」「ダウンロードの履歴」「Cookieおよびその他のサイトデータ」「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れます。その他の項目は必要に応じてチェックしてください。
  6. 「今すぐクリア」ボタンをクリックします。
  7. クリアが完了したら、Edgeを再起動し、問題が解決したか確認します。

注:もしEdgeがInPrivateモードでも起動しない場合、この方法は使えません。その場合は、次の「設定をリセットする」に進んでください。


4. Edgeの設定をリセットする

Edgeの設定が何らかの理由で破損している場合や、誤った設定が問題を引き起こしている場合、設定を初期状態に戻すことで解決することがあります。この操作は、履歴やパスワードなどのデータは保持しつつ、起動時のページやタブ、検索エンジンなどの設定をリセットします。

  1. Edgeを起動し、右上にある「…」(設定など)メニューをクリックし、「設定」を選択します。
  2. 左側のメニューから「設定のリセット」をクリックします。
  3. 「設定を既定値に戻します」セクションにある「設定を既定値に戻す」をクリックします。
  4. 確認のポップアップが表示されたら「リセット」をクリックします。
  5. リセットが完了したら、Edgeを再起動し、問題が解決したか確認します。

注:Edgeが起動しない場合は、Windowsの「アプリと機能」からリセットを試みます。

  1. 「スタート」メニューから「設定」を開き、「アプリ」→「インストールされているアプリ」(または「アプリと機能」)へ進みます。
  2. アプリの一覧から「Microsoft Edge」を探し、右側の「…」またはクリックして「詳細オプション」(または「変更」)を選択します。
  3. 「リセット」セクションにある「リセット」ボタンをクリックします。確認のメッセージが表示されたら再度「リセット」をクリックします。

5. Edgeの修復または再インストール

キャッシュのクリアや設定のリセットでも解決しない場合、Edgeのプログラムファイル自体に問題がある可能性があります。この場合、Edgeの修復を試みるか、完全に再インストールすることで問題を解決できます。

  1. 「スタート」メニューから「設定」を開き、「アプリ」→「インストールされているアプリ」(または「アプリと機能」)へ進みます。
  2. アプリの一覧から「Microsoft Edge」を探し、右側の「…」またはクリックして「変更」(または「修復」)を選択します。
  3. ユーザーアカウント制御のプロンプトが表示されたら「はい」をクリックします。
  4. 「修復」または「再インストール」のオプションが表示されるので、指示に従って実行します。通常、再インストールの場合でもユーザーデータは保持されます。
  5. プロセスが完了したら、PCを再起動し、Edgeが正常に起動するか確認します。

注意:EdgeはWindowsの重要なコンポーネントであるため、通常のアプリのように簡単にアンインストールすることはできません。上記の方法が事実上の「再インストール」に近い動作となります。


6. その他の解決策

上記の主要な対処法で解決しない場合、以下の点を追加で確認してみましょう。

6-1. 拡張機能の無効化

特定の拡張機能がEdgeの動作を妨げている可能性があります。Edgeが起動するものの不安定な場合、以下の手順で拡張機能を一つずつ無効化して問題の拡張機能を特定します。

  1. Edgeを起動し、右上にある「…」(設定など)メニューをクリックし、「拡張機能」を選択します。
  2. 「拡張機能を管理」をクリックします。
  3. すべての拡張機能を一つずつオフに切り替えて、Edgeの動作を確認します。問題が解消されたら、拡張機能を一つずつオンに戻していき、原因となっている拡張機能を特定し、アンインストールまたは無効化します。

ヒント:Edgeが通常起動しない場合、InPrivateウィンドウで起動できるか試した後、拡張機能を無効化することも可能です。

6-2. Windows Defender ファイアウォールやセキュリティソフトの確認

ご使用のファイアウォールやセキュリティソフトが、誤ってEdgeの通信や実行をブロックしている可能性があります。一時的にこれらのセキュリティソフトを無効にして、Edgeが起動するかどうかを確認してください。問題が解決する場合は、セキュリティソフトの設定でEdgeを例外として許可するか、別のセキュリティソフトの使用を検討しましょう。

6-3. 新しいユーザープロファイルでの確認

稀に、現在のWindowsユーザープロファイルが破損しているためにEdgeが正常に動作しないことがあります。新しいユーザーアカウントを作成し、そのアカウントでEdgeが正常に動作するか確認してみてください。

  1. 「スタート」メニューから「設定」を開き、「アカウント」→「家族とその他のユーザー」へ進みます。
  2. 「その他のユーザー」セクションで「アカウントの追加」をクリックし、画面の指示に従って新しいローカルアカウントを作成します。
  3. 新しいアカウントでWindowsにサインインし、Edgeが正常に起動するか確認します。

新しいアカウントで問題なくEdgeが動作する場合、元のユーザープロファイルの破損が考えられます。その場合、新しいアカウントへデータを移行することを検討する必要があります。


まとめ

Microsoft Edgeが起動しない、またはすぐに落ちるという問題は、ブラウジングに大きな支障をきたします。しかし、キャッシュのクリア設定のリセットブラウザの修復または再インストールといった段階的な対処法を試すことで、多くの場合は解決可能です。

それでも改善しない場合は、拡張機能の競合、セキュリティソフトの設定、またはユーザープロファイルの破損といった可能性も考慮し、一つずつ原因を排除していくことが重要です。これらの手順を試すことで、再びMicrosoft Edgeを快適に利用できるようになるでしょう。もし自力での解決が難しいと感じた場合は、MicrosoftのサポートやPCメーカーに問い合わせることも検討してください。