Last Updated on 2025年7月28日
Windowsパソコンを使っていると、ある日突然「音が全く出なくなった」という事態に遭遇することがあります。タスクバーのスピーカーアイコンにバツ印が表示され、クリックすると「オーディオ出力デバイスがインストールされていません」といったメッセージが表示される場合、サウンドデバイスやそのドライバーに問題が発生している可能性が高いです。
この問題が発生すると、動画の視聴、音楽鑑賞、オンライン会議など、PCでのあらゆるオーディオ関連の機能が利用できなくなり、非常に不便です。しかし、多くの場合、適切なトラブルシューティングを行うことで解決できます。本記事では、「オーディオ出力デバイスがインストールされていません」というエラーが表示された際の具体的な対処法を、段階を追って詳しく解説します。サウンドドライバーの再インストール方法や、関連サービスの確認、さらにはWindowsのトラブルシューターの利用方法まで、さまざまな角度から解決策をご紹介しますので、ぜひ音声環境を取り戻すために役立ててください。
目次
- 1. エラーの原因と確認すべきこと
- 2. まず試すべき基本的な対処法
- 3. サウンドドライバーの再インストールと更新
- 4. オーディオ関連サービスの状態確認
- 5. サウンドのトラブルシューターの実行
- 6. その他の解決策
1. エラーの原因と確認すべきこと
「オーディオ出力デバイスがインストールされていません」というエラーが表示される主な原因は以下の通りです。
- サウンドドライバーの問題: 最も一般的な原因です。ドライバーが破損している、古い、または正しくインストールされていないために、Windowsがオーディオデバイスを認識できません。
- オーディオサービスの停止: Windowsのオーディオ機能に関連するサービスが停止していると、音が出なくなります。
- デバイスの無効化: デバイスマネージャーなどで、誤ってオーディオデバイスが無効にされている場合があります。
- 物理的な接続不良: 外部スピーカーやヘッドホンを使用している場合、ケーブルの断線や接続ポートの不具合が考えられます。
- ハードウェアの故障: サウンドカードやマザーボード上のオーディオチップが物理的に故障している可能性があります。
トラブルシューティングを行う前に、まず外部スピーカーやヘッドホンを使用している場合は、それらが正しくPCに接続されているか、または電源が入っているかを確認してください。
2. まず試すべき基本的な対処法
音が出ないトラブルに遭遇したら、まずは以下の基本的な対処法から試してみましょう。意外とシンプルな方法で解決することがあります。
2-1. PCの再起動
PCの一時的な不具合やシステムリソースの競合が原因の場合、再起動するだけで解決することがよくあります。一時的なドライバーの読み込みエラーやサービスの問題が解消される可能性があります。
2-2. 物理的な接続の確認
デスクトップPCで別途サウンドカードを増設している場合や、外部スピーカー、ヘッドホンを使用している場合は、以下の点を確認してください。
- スピーカーやヘッドホンのケーブルが、PCの正しいオーディオ出力ポート(通常は緑色)にしっかりと接続されているか。
- 外部オーディオデバイスの電源が入っているか、またはバッテリー残量が十分か。
- 別のスピーカーやヘッドホンを接続してみて、そちらからは音が出るか。
- ディスプレイにスピーカーが内蔵されている場合、ディスプレイ側の音量設定やミュート状態を確認します。
3. サウンドドライバーの再インストールと更新
「オーディオデバイスがインストールされていません」というエラーの最も一般的な原因は、サウンドドライバーの問題です。ドライバーの再インストールや更新を試みましょう。
- デバイスマネージャーの起動:Windowsの検索バーに「デバイスマネージャー」と入力し、表示されたアプリを開きます。
- サウンドデバイスの確認:「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー」の項目を展開します。
- ここにサウンドデバイス(例:Realtek High Definition Audio, Intel(R) Display Audioなど)が表示されているか確認します。
- もし何も表示されていないか、または黄色い三角の警告マークが付いている場合は、ドライバーに問題があります。
- ドライバーのアンインストール:
- サウンドデバイスを右クリックし、「デバイスのアンインストール」を選択します。
- 「このデバイスのドライバーソフトウェアを削除します」というチェックボックスがあれば、チェックを入れて「アンインストール」をクリックします。これにより、既存のドライバーが完全に削除されます。
- アンインストール後、PCを再起動します。再起動時にWindowsが自動的に汎用ドライバーをインストールしようとします。
- ドライバーの更新(手動インストール):
- 再起動後も問題が解決しない場合、PCメーカーの公式ウェブサイトにアクセスし、お使いのPCモデルの最新のオーディオドライバーをダウンロードします。
- ダウンロードしたドライバーのインストーラーを実行し、指示に従ってインストールします。インストール完了後、PCを再起動します。
- もし自動的にドライバーがインストールされた場合でも、PCメーカー提供の最新ドライバーの方が性能が良い場合があるので、手動でのインストールも検討してください。
注意:「不明なデバイス」や「ほかのデバイス」の項目にサウンドに関連するデバイスが表示されている場合も、それが原因である可能性があります。右クリックして「ドライバーの更新」を試すか、ドライバーのアンインストールと再起動を試してください。
4. オーディオ関連サービスの状態確認
Windowsのオーディオ機能は、「Windows Audio」サービスに依存しています。このサービスが停止している、または正しく動作していないと、音が出なくなります。サービスの状態を確認し、必要に応じて再起動しましょう。
- 「サービス」の起動:Windowsの検索バーに「サービス」と入力し、「サービス」デスクトップアプリを開きます。
- 「Windows Audio」サービスの確認:サービスの一覧から「Windows Audio」を探します。
- 状態の確認と再起動:
- 「状態」の列が「実行中」になっているかを確認します。
- もし「実行中」になっていない場合は、サービス名を右クリックし、「開始」を選択します。
- すでに「実行中」の場合でも、一度「再起動」を試すことで問題が解消されることがあります。右クリックして「再起動」を選択してください。
- スタートアップの種類:サービスの「スタートアップの種類」が「自動」になっていることも確認しましょう。もし異なる場合は、サービスを右クリックして「プロパティ」を選択し、「スタートアップの種類」を「自動」に設定して「適用」→「OK」をクリックします。
- 関連サービスの確認:「Windows Audio Endpoint Builder」と「Remote Procedure Call (RPC)」も同様に「実行中」で「自動」になっているか確認します。これらもオーディオ機能に必須のサービスです。
5. サウンドのトラブルシューターの実行
Windowsには、システムの問題を自動的に診断し修復するトラブルシューティングツールが組み込まれています。サウンドに関するトラブルシューターを実行してみましょう。
- 「スタート」メニューから「設定」を開き、「システム」→「トラブルシューティング」→「その他のトラブルシューティングツール」へ進みます。
- 一覧から「オーディオの再生」を見つけて、「実行」をクリックします。
- 画面の指示に従って診断を進めます。問題が検出された場合、自動的に修正されるか、修正方法が提示されます。
6. その他の解決策
上記の対処法で改善が見られない場合、さらにいくつかの方法を試すことができます。
6-1. BIOS/UEFI設定の確認
稀に、PCのBIOS/UEFI設定でオンボード(マザーボード内蔵)のサウンド機能が無効になっていることがあります。PCの起動時にF2キーやDeleteキーなどを押してBIOS/UEFI設定画面に入り、「Advanced(詳細設定)」や「Integrated Peripherals(統合周辺機器)」といった項目で、オーディオ関連の項目(例:HD Audio Controller)が「Enabled(有効)」になっているか確認してください。設定を変更した場合は保存して終了します。
6-2. システムファイルの破損確認 (SFC)
Windowsの重要なシステムファイルが破損していると、オーディオ機能を含む様々なシステム動作に影響が出ることがあります。システムファイルチェッカー(SFC)ツールは、破損したシステムファイルを検出して修復するのに役立ちます。
- Windowsの検索バーに「cmd」と入力し、「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- コマンドプロンプトウィンドウで、以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。
sfc /scannow - スキャンが完了するまで待ちます。完了後、問題が検出されて修復されたかどうかのメッセージが表示されます。
- PCを再起動し、エラーが解消されるか確認します。
6-3. Windows Updateの確認
最新のWindows Updateが適用されていないことが原因で、予期せぬ問題が発生することがあります。最新の更新プログラムが適用されているか確認し、未適用であれば更新を実行してみましょう。
- 「スタート」メニューから「設定」を開き、「Windows Update」へ進みます。
- 「更新プログラムのチェック」をクリックし、利用可能な更新があればインストールします。
- 更新完了後、PCを再起動します。
まとめ
Windowsで「オーディオデバイスがインストールされていません」と表示され音が出ない場合でも、慌てる必要はありません。多くの場合、サウンドドライバーの再インストールと更新、オーディオ関連サービスの確認、そしてトラブルシューターの利用で解決できます。
これらの基本的な対処法から順に試していき、それでも解決しない場合は、BIOS/UEFI設定の確認やシステムファイルの破損チェックなども検討しましょう。これらの手順を踏むことで、再びPCから音が出るようになり、快適なデジタルライフを取り戻せるはずです。もし自力での解決が難しいと感じた場合は、PCメーカーのサポートや専門家への相談も検討してください。


