Last Updated on 2025年7月28日
Googleスプレッドシートでは、プルダウンリスト(入力規則)を使って、ユーザーに選択肢を指定させることができます。さらに一歩進んで、プルダウンリストを連動させることで、より柔軟で実用的な入力フォームを構築できます。
この記事では、スプレッドシートで「親リストの選択に応じて子リストの内容が変わる」連動プルダウンの設定方法を、PC操作を前提に詳しく解説します。
目次
- プルダウンリストの連動とは?
- ステップ1:元データを準備する
- ステップ2:名前付き範囲を設定する
- ステップ3:INDIRECT関数で連動を実現
- 具体例:都道府県と市区町村の連動リスト
- よくあるトラブルと対処法
- まとめ
プルダウンリストの連動とは?
プルダウンリストの連動とは、「選択肢Aを選ぶと、次の選択肢Bの内容がAに応じて変わる」という仕組みのことです。
例えば、「都道府県」を選ぶと、その選択に応じて「市区町村」のリストが自動的に切り替わるように設定できます。これにより、データ入力の精度が高まり、使いやすい入力フォームを作成できます。
ステップ1:元データを準備する
まずは連動に必要な元データを入力します。以下のような構成がおすすめです。
| A列 | B列 | C列 |
|---|---|---|
| 都道府県 | 東京都 | 大阪府 |
| 新宿区 | 大阪市 | |
| 渋谷区 | 堺市 | |
| 港区 | 吹田市 |
このように、親リスト(都道府県)と、それに対応する子リスト(市区町村)を縦にまとめておくと管理しやすくなります。
ステップ2:名前付き範囲を設定する
次に、各都道府県に対応する市区町村のリストに「名前付き範囲」を設定します。
- 市区町村のセル範囲(例:東京都の市区町村)を選択
- 「データ」メニュー → 「名前付き範囲」をクリック
- 「東京都」などわかりやすい名前を設定
注意点:スペースや記号を含まない英数字の名前にするのがおすすめです。例:「Tokyo」「Osaka」など
ステップ3:INDIRECT関数で連動を実現
親リストで選ばれた内容に応じて、子リストの選択肢を変えるためにINDIRECT関数を使います。
- 親リスト(例:A2セル)に「データの入力規則」で都道府県を設定
- 子リスト(例:B2セル)に以下の数式を入力規則に設定
例:
=INDIRECT(A2)
これにより、A2に「東京都」と入力されると、「東京都」という名前付き範囲が呼び出され、その内容がプルダウンリストとして表示されます。
具体例:都道府県と市区町村の連動リスト
より実践的な例として、「A列:都道府県」「B列:市区町村」という構成で以下のように連動させます。
- A2に「東京都」「大阪府」などの都道府県リストを設定
- B2に「=INDIRECT(A2)」と入力規則を設定
- 各都道府県に対応する市区町村範囲を名前付き範囲として登録
この構成により、入力ミスを減らしつつ、効率的に関連データを管理することができます。特に社内申請フォーム、商品カテゴリ分け、拠点管理などの用途で活用されています。
よくあるトラブルと対処法
- 子リストが表示されない:INDIRECTで指定した名前が一致していない可能性があります。スペースの有無や全角半角に注意してください。
- エラーが出る:名前付き範囲に未入力セルが含まれていないか確認してください。
- 入力規則の候補が出ない:セルが正しい形式(リスト)で入力規則を設定しているか確認しましょう。
まとめ
Googleスプレッドシートでプルダウンリストを連動させることで、入力の正確性や利便性が大きく向上します。
設定のポイントは以下の3つです。
- 親子関係のあるデータをあらかじめ整理しておく
- 子リストに「名前付き範囲」を設定する
- INDIRECT関数を使って親リストに連動させる
フォーム作成、業務管理、データ整理など、さまざまな場面で役立つテクニックです。ぜひ活用してみてください。


